魚翅羹 / 鱼翅羹
yú chì gēng
Shark Fin Soup
フカヒレスープ
「魚翅」
はフカヒレ、「羹」はとろみのつい
たスープ
写真は「楽楽屋新店」のもの。一般に、「湯」
が普通のスープであるのに対し、「羹」
はとろみのついたスープを指す。
フカヒレ
は中国料理では高級食材であるが、高級なやつはたいていが日本産であるとなると、どうも素直にありがたく食べる気がなくなる。乾燥アワビも同様。自然保護
や動物の権利の運動との関係もあって、サメは今後獲りにくくなることが予想されるから、遠からぬうちに大部分が代用品に置き換わるかもしれない。そもそも
上の写真のように細かく切られてしまうと、本物のフカヒレなのか私にはわからなくなる。
もともと私は中国料理に限らず、こういう共同幻想
に基づく「高級食材」にはあまり興味を持たない方である。ただ、この写真のように卵を散らした白っぽい「羹」にしたフカヒレ・スープは大好きだ。このスー
プのフカヒレが春雨でできた代用品だったとしても、それ相応の値段で出してくれたら私は大満足である。
なぜか日本ではもっと濃い色の、味の濃いフカヒレ・スープが多く、このタイプのものにはなかなか行き当たらなかった。最近ではちょくちょく見かけるのは、
何か変化があったのか、それとも単に私の行動範囲が広がっただけなのか。